週刊少年チャンピオン『ハンザスカイ』バン・ザ・ガイ(番場は男だ)

今年始まった新連載が概ね好調な、週刊少年チャンピオン。
『ケルベロス』を愛しつつも、他の漫画も面白く
全体的にとても楽しめています。
ジャンプサンデーマガジンチャンピオン…今、一番好調なのは
チャンピオンじゃないかな…。
そんな中で、好調チャンピオンを支える新興作品の一作で
とても正調のスポーツ(空手道)漫画として歩みだしているのが『ハンザスカイ』。
キャッチコピーは『高校空手道部血風録』。
血はあまり見られないけれど、血風録。

ハンザスカイ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
佐渡川 準

ユーザレビュー:
テンプレになるぐらい ...
帰って来た佐渡川準「 ...
このマンガを待ってい ...
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『ハンザスカイ』は、アニメ化までされたヒット作
『無敵看板娘』の佐渡川準先生が、大凡作(ここは敢えて断言)
『PUNISHER』(パニッシャー)の後に描いた作品。
『PUNISHER』、一応全7巻もあって
僕も1話から最終話まで、本誌で読んでいますが…
もう、ほんっと、つまらなくて(すいません)。

『無敵看板娘』で日常ギャグものを長々と描いてきたけれど、
作中にあるバトル描写に妙に気合が入っていたように
作者的には、もっと違う世界が描きたかったのでしょう。
その意味で、一気にファンタジーにまで振り切れるのは
選択としては、わかるものでした。
でも、ギミックキレ悪いし主人公とヒロインとライバルの連結も悪いし
いやそれ言い出すとキャラ配置に何一つ見所が(以下愚痴略)
地力のある人の筈なのに、まあ、「読めなかった」。

佐渡川先生も、まさか『PUNISHER』が成功とは思っていなかったでしょう。
充電期間もそこそこに、今度はもっと「描きたいもの」に
正直になった感がある。
それが脱不良空手漫画『ハンザスカイ』。
ボーイ・ミーツ・ガールによって生き方を180度換え
新たな世界そのものの魅力に気付く…という
とても王道の組み方をしながらも、その根底には
一本筋の通った

空手大好き!!

という熱があり、それだけで本作にオリジナルな魅力を与えている。
配置的に言うと、男女別の競技なので
藤木先輩の効きが甘くなっちゃうんじゃないかなあ…とか
色々気になる点はあって、構造的には
万全!というほどの堅牢さは感じません。
展開だけを追っていると、遅いなあ…であったり
色々と、頭は感想を訴えてくる。
しかし、一方で
人体の動きを大層魅力的に捉える、佐渡川先生の筆致が
これ以上ないくらい決まっている作品でもあるわけです。

※どうして『PUNISHER』は武器持たせてたの、佐渡川先生!?

展開や先読みではない所の
「空手をする人たちのかっこよさ」だけで読ませられるのは
さすがに、画力のある人の特権。
キックの時の足の「しなり」であったり、
突きは腕の伸びきった画より残心…引いた時の画を多用したりと、
こだわりがカッコ良すぎます。
愛情が画力に昇華し、画力が愛情をストレートに伝えてくれる。
そんな、幸せな関係をもった作品として
小難しい事を言う前に、一週一週
空手へのリスペクトを胸に、楽しませてもらっています。

で。
そんな作品の中で、僕が一番好きなのは、誰かといったら当然
番場先輩なわけです!!

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正直この作品の浮沈はバン(番場)が握っている!!
…と、思っていたのだけれど、扱いはそこまで良くなく
微妙にやきもきさせてくれるのも、
『ハンザスカイ』の魅力だったりします。ある意味。

そもそも、
「ハンザ(半座)」に対し
「バンバ(番場)」というのは、ネーミングセンス的にどうなのでしょう?
音が近すぎる。
相似形として配置したのではないか、くらいの
意図を見出したくなってしまう名前。
実際、藤木に叩きのめされた半座は
番場の仲介をもって、空手部入部を果たす事になる。
つまり憧れの位置に藤木がいるとすれば
理解者・保護者の位置として番場がいたわけです。
名前も近いし(2度目)。

しかし、その割には入部時の番場は、妙に淡白。
こちらはそれなりに大事なキャラだと思っているのに
どうも、その読み通りには動かしてくれない。
例えば半座入部の前に、番場はその頑固さ故に
一度空手部に退部届けを出し、そこで不良と違う半座に気付き
彼を空手部に連れ帰る、という役割を果たす。
その間、番場の描写はなし。

…「半座にとっての仲介者」ではあるけど
頑固一徹の番場が退部届を取り消すのは、
それなりのドラマじゃないの?

僕には、「番場が半座に(ほらこんがらがる!)
可能性を見出し、己の信念を曲げてでも
半座とともに、空手部に戻る」のは
一つの決意の物語だと思えて仕方ない。
けれど、本編はそのあたりをスルーしてしまう。

こちらの期待する、また配置的にそこまで読めるはずの番場と
佐渡川先生の描く番場に、妙なズレがある。
そこを不安がったり、たまに応えてもらって喜んだりと
番場を使った、恋の駆け引きのような押し引きテクニックでもって
『ハンザスカイ』は成り立っているのです!ほんとかよ!

先週まで行われていた、半座対峰岸の一年対決も
中堅だから位置的に中央に座る事になり、
仕方ないっちゃ仕方ないとはいえ、
とにかく、半座の後ろに番場が隠れてしまう(笑)。
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こちらとしては、
佐渡川先生が意識すらせずに外しているの!?
なんで!?半座の成長や苦戦が窺える各シーンでは
藤木と並んで、番場の反応が観たいだろう!と思うわけです。
しかしその割には、本当に隠れ放題。
こういった部分で、バンスキー(番場好き)としては
すっかりへこたれそうになってしまうのですが、しかし

その次に、狙っていたかのようにバンがカッコイイ回がやってくる。
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バ、バンかっけえええ!県内ベスト4!

また、足技の鬼である空手部主将、青柳がいるため
実力自体も微妙な香りがしていた番場に対し、
今週「手足が短い」という
なるほど言われてみれば、な特徴を付加。
これによって「恵まれない体格でも頑張っている」という
単純の強さだけではない、精神の強さを描けている。
※更に、この特徴だと巨塔・青柳との相性は最悪に近いはずで
そのあたりも番場の評価が下がらない事に繋がっていますね。

こんなバンさんのかっこいい回を描かれると、
「あれ?ひょっとして峰岸戦、番場を描かなかったのは
バンはいつも悠然と自信をもって半座を見守っているから
描くまでもない、という事なの?

(↑ちょっと騙されてる感)
と、先週までの不満もドキドキに変えられてしまいそうな始末。
ああ、恐ろしい。
やっぱりこの作品、番場を見ているだけで楽しいなぁ…。

そんな男の中の男、バンさんが活躍したりしなかったりする
『バンザガイ(番場・THE・GUY)』を皆で読もう!タイトル違った!

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