yahoo!ニュースコメントに潜む宝~ガララーガ幻の完全試合、MLB世紀の大誤審~

アメリカのプロ野球、MLBにおいて
アルマンド・ガララーガ投手の完全試合が
「誤審」によって消滅したという、凄まじい出来事がありました。
まずは、見た方がわかりやすいですね。
野球を知る世界を賑わせたニュースなので、沢山動画が存在します。

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100年を超えるメジャーリーグの歴史で、20回しか達成されていない完全試合は
打者の三冠王16度よりは多くとも、投手の三冠王30度よりは少ない…
つまり三冠王と同等クラスの、価値のある偉業として知られています。

1つの試合を、1回から9回まで、ヒットは勿論、
フォアボールもデッドボールもエラーもなく、
3アウト×9回=27人の打者で抑える。
これが、年間通しての偉業である「三冠王」などと並び称されるという事実は
野球というスポーツがいかに不確定な「確率」のスポーツであり
たった一試合であっても、いかに支配・管理の難しいスポーツであるかの
表れと言えるでしょう。

ノーヒットノーランは、エラーやフォアボールと言った
「ミス」は許しながら、バッターとの勝負にさえ完全勝利すればいい。
(それでも偉業である事は間違いないのですが)
完全試合というものが、確率のスポーツにおいて確率を完全支配する
超常的な、特別な出来事なのだという事がわかってもらえるでしょうか。

ところが、それが審判のミスによってフイにされてしまった。
映像を見ればわかりますが、惜しいというレベルですらない、
100%レベルのアウトです。
前述の通り、ノーヒットノーランと完全試合を分かつのは、ミスの差。
しかしそれが、全てをチームとしての共同責任、共同結果とできる
仲間=フィールドプレイヤーではなく、
公平を旨とする審判によって行われてしまった。
勿論、ノーヒットノーランも消えてしまったわけです。
ガララーガ投手の心中いかばかりか。

そして同時に、ジョイス一塁線審の心中も察するに余りあります。

9回26アウト、27人目。完全セーフとは間違っても言えないようなプレー。
(完全アウトだとは思いますが、100歩譲っても「際どいプレー」)
試合中や試合後に、ビデオによって衆人の目に晒される現代にあって、
試合中に唯一結果に干渉できる審判として、
あの局面で「セーフ」のジャッジを下すのがどれほどの勇気を必要とするのか、
僕には想像もつきません。
「流れ的に完全試合(アウト)」といった
ゆるいプロ意識ではくだせないジャッジだ、とも思うのです。
ジョイス線審も、彼なりの誇りと覚悟をもってジャッジを行ったのに
結末は、誰も幸福にしない形になってしまった。
非常に嘆かわしい事です。

あと数日で開かれる、サッカーワールドカップの予選でも
このような、大誤審が存在しました。
ただ、サッカーの場合、基本的に動き続ける「動」のスポーツである事、
そして審判の人数やプレーのシチュエーションの幅広さなどから、
完璧なジャッジを要求するのは土台無理がある、という前提は存在する。
フィールドをめまぐるしく動くわけですから、当然死角だって生まれますしね。
その一方で、野球は、しかも今回のケースは
「一塁のアウトセーフを判定する事が第一の役割であり、
その為の位置に立っている」人間のジャッジだった事に問題があります。

「機械判定を入れるべき」といった議論が加熱するかもしれません。
むろん、機械に逐一判断を仰ぐ事は、試合の流れを止めてしまう。
現時点では、サッカーの場合望むのは難しいという判断がされ
ワンプレーワンプレーに間の存在する、プレーが止まる
アメリカンフットボールには回数制限つきの
「チャレンジ」制度が存在します。
ピッチャーの投球ごとにプレーが区切られる、野球のスポーツとしてのタイプは
当然サッカーよりアメフトに近いものですから、
チャレンジ制度、導入が不可能とも思いません。
今後の課題になる事でしょう。
ただ、何を言ってもルールの遡及適用は原則的にありえませんから
ガララーガ(そしてジョイス線審も)可哀想だなあ、という
いたたまれない感想にしかなりません。

こんな時に役に立つ?のが、2chのような情報掲示板であったり
また、ニュースの場合はヤフー!ニュースのコメント。
特にコメントは、治安もそこまで悪くなく
「そう思う」「そう思わない」という単純な二元解答によって態度を表せる
気軽な同意・反対の意思表明ツールとして、
こんな時の気持のはけ口になってくれます。
(実際は、そう思うでもそう思わないでもない解答もあるはずなのですが
 その場合は自分がコメントを書けばいいのでしょう)

【MLB】世紀の大誤審! 完全試合が土壇場でフイに

で、同情系コメントに片っ端から「そう思う」をクリックしていたわけです(笑)。
するとその中に、言われれば当然とはいえ
「あっ!」というような、素晴らしいコメントが存在しました。

ros*****さん
私もそう思う989点私はそう思わない21点

史上初めて「28人」を完璧に抑えた投手として
球団・ファンから表彰するってのはどうかな


…あっ!!!!!!

ros*****さん、貴方はなんて賢いんだ…!!!
まったくもって、その通りです。
この出来事が唯一悲劇にならないポイントは、
ガララーガが類稀な精神力でもって、その次
28人目のバッターも抑えてみせた事。
これを活かさない手はない!

おそらく「私はそう思わない」に投票した少数の方の中には
単なる嫌がらせやヒネクレというだけではなく
「ジャッジはジャッジだから」という、確固たる信念でもって
そちらに票を入れた方もいるのでしょう。
それはよくわかる。
「完全試合を誤審で逃した男」は、
「完全試合を達成した男」より遥かにレアな、特別な存在です。
この騒動の中でもガララーガの紳士の対応には非の付け所がなく
既に彼は、完全試合に勝るとも劣らない栄誉を得たようにも思います。

しかし、そこには線審の救済が足りないのでは、と思うのは
僕がセンチな人間だからなのでしょうか。
ジョイス線審自身体が完全な誤審を認め、試合後即謝罪した
そしてなによりチームの勝敗も動かない
(これが関わってくると、問題はもっとややこしくなります)
…こんな状況では、誰かを幸せにしない結末よりは、幸せな結末を用意した方が
ガララーガ選手は勿論、ジョイス線審も心が休まると思うのです。
(なんか俺、ジョイス線審に同情的だな…)

なんなら野球好きのオバマが
ホワイトハウスにでも呼んでやればいいよ!←妄想自重

他の場所でも同じような意見は存在したでしょう。
しかしとにかく、マスコミの出す「報道」に対して
近い距離で、ダイレクトに市井の意見を生み出せる
(そして同じフォントである事で「等価値」を主張できる
コメントのシステムに、ものすごい価値を感じた瞬間でありました。
ひいてはこれは、ネット文化というものの価値でもある。
今更ですが、インターネット文化とは偉大なものですね。
現実が、少しでもガララーガ投手やジョイス線審に優しくなる事を祈りつつ
人間の叡智や発想をこんな簡単に集結させられてしまう、
ネットに感動した今日この頃なのでした。

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  • アルマンドガララーガ 完全試合

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