『ガラスの仮面』44巻 姫川亜弓にさしのべられた手

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『ガラスの仮面』最新刊が発売されています。
もうドラマになったりアニメになったりしてますね。
ドラマの主題歌はB'zのCallingだったなぁ…。

B'z Calling

※水もしたたるいい男、って思いついても
 普通ド直球でやらねーぞ(笑)!!
 そんなナルシスト乙な行いが全て赦されてしまう
 イケメン星のイケメン王子、稲葉さん。
 なんでここまでの才能と名声を得ているのに
 作詞スタンスが基本「ダメな僕」なのだろう。
 何故「ダメな僕」の気持ちがわかるのだろう。謎だ。

子供の頃読んでいた作品で、読み直したわけでもなく
そのまんま今に至っているので、あまり正確に
分析できるほどの情報は持っていないのですが…
子供の頃から、姫川亜弓が好きだった。

昔の少女漫画や少女小説(姉の影響で色々読んでます)
には、シンデレラ願望といいますか

「私特に可愛くもないけど、ひとつ取りえがあったり
身分を気にしないあけすけなスタンスが気に入られたりして
何故か王子様や皆の人気者に愛されるの」

という(長っ!)形式のものが多く。
『ガラスの仮面』もまた、容姿に恵まれているわけではない
北島マヤ、という少女が
仮面をかぶるという天賦の演技スタンスでもって
既にその世界で名を挙げている天才・姫川亜弓を
おびやかしていく、という
“私にもできる的サクセス・ストーリー”の形式を纏ってはいた。

けれど、マヤの天才というのは有名な
「恐ろしい子…!」に現れている通り、人を圧するものだった。
基本、本作に限らず主人公たちの天才率って高いものなのですが
努力の量やひたむきさ、といったものをアピールすることで
天賦の才を目立たせないようにする。
(それによって、親しみやすさを残し、読者をついてこさせる)
そんな主人公は多いけれど、マヤの演技をイメージしてみるといつも
決まって目の中を描かない、スイッチが入ったあの瞬間なわけで。
そうなると、そこには努力では到達しえない何かがある。

今で言うと、「天才を描く作家」曽田正人さんの世界に近い。
昴 (1) (ビッグコミックス)
小学館
曽田 正人

ユーザレビュー:
バレエはスポーツじゃ ...
天才面白いです。画は ...
1巻はイマイチだけど ...
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マヤは仮面をつけたりかぶったりなので、ONOFFがハッキリしていて
舞台以外では普通の子なのに、というギャップがあり
そこが最後の「親しみやすさの際」として機能していますね。
一方曽田天才は、天才は日常レベルからどっかおかしいもんだ、という
描き方をする事が多いのですが…それはまあ余談。

そうやって恐ろしい天才・マヤが活躍していくほどに
読者に身近な設定を纏っているはずの彼女は、
どんどんと遠くの星となり。
逆に当初高い壁であり、憎らしい程の
ステータス完備だったはずの亜弓さんが、
どんどんと痛ましく、そして身近になってくる。
「エースをねらえ!」のお蝶夫人と近いものの
彼女ほど成熟していないが故に、亜弓さんの方が痛ましい。
そこで読者の多くは、気付けば
「美人で家柄もよくてサラブレッドな高嶺の花」
であるはずの亜弓さんにこそ
親しみを覚え、感情移入をはじめてしまうんですよね。
本来大多数の読者がそうである、中産階級から
隔絶させてこそのキャラクターなのに
「自分より強大な才能を前に抗おうとする」というその一点でもって
亜弓さんは、設定を無視して読者と「近く」なってしまうのでした。
そりゃ、生きてきていつ何時でも
「俺一番!」と疑わないまま来れる人も少ないでしょう。
そういう意味で、亜弓さんは「自分」なんですよね、設定はああでも。

※また、北島マヤの造形にも多少問題があると思います。
 だって…
 何のとりえもない普通の子ったって、それなりに可愛いもん(笑)!!
 亜弓さんと対比をとりたければ、マヤの容姿は
 もっと「普通で、地味」をアピールしなければいけない。
 それこそアニメ『赤毛のアン』ばりの造形なら、バランスもとれたでしょう。
 でも、黒髪だろうがくせっ気だろうが、目にキラキラハイライトはいってて
 ぶっちゃけカワイイですよね、マヤって(笑)。
 亜弓さんとの違いは
 「綺麗」と「カワイイ」の違いに過ぎないといいますか
 この容姿で「私なんてへちゃむくれだし(若干死語)」なんて言われても
 「こ、この贅沢者が!!orz」
 という話じゃないですか(笑)。
 この時点で、マヤと亜弓のバランスが取れないのは必然とも言える。
 まぁこれは少女漫画の構造欠陥みたいなものですね。
 『キャンディ・キャンディ』あたりにも同じ指摘ができてしまえるかも。

閑話休題。

そんな我らの亜弓さんですが、マヤには敵いません。
もう、切ないほどに敵いません。
その辺を、これまでもそうですが
最新刊は分かり易すぎて残酷なほどにキッチリ描写しています。
例えば2人の目指す伝説の舞台・紅天女へのスタンス。

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……重たい。
重たいというか、色々ほかのものを背負い込みすぎ。
父母の名から逃れた、自分自身を確立する為。
そしてマヤ、マヤ、マヤ。
北島マヤという才能の強大さから目を逸らせずに
何を言ってもマヤ、という哀しいほどの呪縛に囚われています。
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大丈夫…!気にすることはないわ…!
わたしには北島マヤにできない紅天女が演れるのだから…!


えーと亜弓さん、気にする事ないといったそばから
その発言自体が気にしすぎですorz

一方のマヤはまた、憎らしいほど対比を効かせてくる。
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あたしはあたしの紅天女を演るだけ…!

こんな事言われてしまったら、紅天女を演じるたびに父なり母なり
相手であるマヤのことばかり頭に浮かべている亜弓には、立つ瀬もない。
「役にのみ向き合っていない」という、
誰でも指摘できてしまうような部分でもって
姫川亜弓は北島マヤに敵わない、という徹底がなされている。

が、しかし。
北島マヤという強大な才能から目を逸らせないのなら。
→見えなければいいやん?

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舞台稽古に励む中、亜弓は
役者仲間をかばい、舞台器具の下敷きになった事で
神経か何かを痛めてしまい、目が見えたり見えなくなったりします。

 ※いわゆる一つの「銀牙~流れ星銀~」のベンです。
 あ、わからないですか。すいませんでした。

ここで、役者仲間をかばって、というきっかけレベルから
亜弓さんに対して不利な心象が生まれないよう、
細心の注意がなされているのですが
とにかくこれ、単行本の帯に書かれているような
「最悪の事態」とは程遠いです。それどころか
むしろ、物語の神というものがいるとしたら
その神が垂らした蜘蛛の糸と言ってもいい(神仏ごちゃ混ぜ)。
色んなものを見てしまう、姫川亜弓という少女に与えられた
最大のチャンスが、このアクシデントと言い切っていい状況なのだと思います。
お互いノーマルな状況だと、何をどうやってもマヤには敵わないでしょうから
これは、ハンデキャップみたいなものなんですよね。

しかし、当初はお高いライバルに過ぎなかったはずの亜弓さんに
こんなブーストがかかるような追加イベントが発生する、というあたりに
つくづく、この作品の「主役交代劇」というか
読者の視点はどこに移ったのか?というのが浮き彫りになっていて
何とも興味深いものがあります。
さあ!ここからが姫川亜弓が
天才・北島マヤに並び立たんとする
世紀の二段点火劇のはじまりはじまり、なのです。
頑張れ、あゆみん!応援してます!

…あゆみんって誰っていう。
ガラスの仮面 44 (花とゆめCOMICS)
白泉社
美内 すずえ

ユーザレビュー:
話が進まないなぁ相変 ...
亜弓さんの試練昔亜弓 ...
印象的な場面が多い今 ...
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おっと、当ブログは声優・高垣彩陽さんを応援するブログです。
序盤ならマヤを、最近なら亜弓さんを彼女には演じて欲しいですね。
※結局、どこまでも役者・高垣彩陽を悩ませたいらしい
でも、彼女は悩むほど伸びる稲穂ですよ、きっと。

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