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zoom RSS スフィア吹き替え映画『エンジェルウォーズ』(原題: Sucker Punch)が意外と(?)面白い

<<   作成日時 : 2011/08/18 16:22   >>

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先日ブルーレイ&DVDのセットが発売された
映画『エンジェルウォーズ』。
声優ユニット・スフィアが…というか僕個人にとっては
高垣彩陽さんが吹き替えをしている、という理由だけで今回購入したわけですが
上映以来、周囲からあまり良い評判を耳に目にしていなかった割には
かなり愉しめてしまった自分がおりまして。
しかも自己分析していても、そこに彩陽さんの演技などで
無理に加点したりフォローしている意識がないことに、自分でも驚いています。

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日本ではあまりないが洋画でよくある謎のセット売り。
パッケージを分ける方がコストがかかるという計算なのかしら。
しかし、自分のソフト価格への感覚がアニメ基準であるせいか、安い安い。


監督のザック・スナイダーさんといえば
『ドーン・オブ・ザ・デッド』の、何より『300』の監督さん。
『300』と言えば…『true tears』の劇場版(?)という事で!

true tears 劇場版 予告編
音響監督さんが頑張ってSEつけすぎた感(笑)。


高垣彩陽ファンの間では、今回の吹き替えは必然
ザック作品と彩陽さん、既に繋がっていた縁と言えますね!←ホントかよ

Wikipediaの海外レビューについての記述などを見ても
あまり芳しい評価ではなかった為、
ある程度声目当てと割りきって観賞し始めたのが正直な話。
が、2時間後。
やあ、なかなかどうして「趣味性」と「作品性」を高次で両立させた
良い作品なのでは、と普通に思っている自分なのでした。
特に彩陽さんが云々、というメガネを利用せずとも、です。
自分で観て、自分の持つメガネで評価し、自分で感じる事が大事。
結局のところ、それをしなければ作品は掴めない。
そんな当たり前の事実の再確認と言う意味でも
刺激的なギャップ・ズレではありました。

1950年代。精神病院に入れられ、5日後にロボトミーを受けることになったベイビードール(エミリー・ブラウニング)が、同じ精神病患者の仲間とともにファンタジーの世界へと飛び込み、人格破壊の危機を回避するための5つのアイテムを集める。(Wikipediaのあらすじ)

Wikipediaのあらすじを引っ張り出すのも妙な話ながら、
普段引用する、Amazonの「内容紹介」に
個人的にあまりにしっくり来ない(後述)為、今回はこちらを貼らせてもらいました。

1950年代、精神病院、ロボトミー手術、と
映画史に燦然と輝く『カッコーの巣の上で』を彷彿させる道具立ては
勿論古典に目配せをした、意識的なものではあるのでしょう。
そして同時に、この作品はおそらくザック監督の
最近にまで通じる趣味のおもちゃ箱を、ぶちまけたような作品でもある。
おたくの性として、今様の趣味をプッシュする時同時に過去名作へのフォロー
(同時に、知ってやっているんですよ宣言)も行うのは
個人的にも理解できる賢しらさで、
そのあたり他人を観ているような気がしませんでした(笑)。

少女たちは、おそらく実際には精神病院にいるのですが
女性という「弱い」身の上ゆえに巻き込まれた境遇を嘆いてか、
精神的な印象にあわせその場所を売春宿として描き、
更にその中で何か、脱出の為の道具を揃える為
「ダンス」などを行う際、
映像は戦国時代(風)に、第二次世界大戦(風)に、
近未来SF的空間(風)にチェンジする。
つまり、例えに例えを重ねているわけで
漫画や小説で言う所の、回想の中で回想と言いますか…
そういった常識的見地からの「悪手」を行っているのですが。
例えば『true tears』や『花咲くいろは』で西村純二さんが
時系列シャッフルを繰り返して、違和を没入に転換させるように。
映像の力ありきの、追いついてもらえる程度の意図的かき回しではあるのでしょう。
少なくとも、僕は観ていて混乱する事はありませんでした。

で、そのミュージカルの現代CG版とも言うべきイメージ空間に、
ザック監督の趣味性が『キル・ビル』のタランティーノも真っ青、というくらい爆発。
最初観始めた時は、なんちゃって寺のお坊さんが
何故か武田信玄とセットで語られる「風林火山」を掲げており
(心を鎮めたいの?何か攻め落としたいの?w)
直後にも、典型的ナチに対する典型的WW2ヨーロッパ戦線。
戦うは、『BLOOD』よろしくセーラー服にジャパニーズ・ソード。
その時点では、タランティーノを悪い方向で越えよった…とクラクラしていました。
映画全体から観ても、ここを超える事が観客に求められる部分ですね…。

とはいえ最後まで観てみると、単に趣味の発露というだけではなく
なかなか上手に、そうあって然るべき感に収めていたかなと修正できました
1950年という舞台が、日本観なりナチ観の曖昧さをフォローする点でも機能していますし
何より、これらのイメージビジュアルを展開するのは
「作品外」から眺めればザック・スナイダーでも、
「作品内」で眺めれば、20にいったかどうかも定かではない少女たちに過ぎない。
知識も曖昧なそんな世代の少女が、とりあえず刺激的な「ファンタジー」をぶちこめば
なるほど、こんな時代考証の雑なトンデモファンタジーが現れるよね…と
意外な許容感覚も湧いてくるのでした。
更に踏み込んで、その「少女たちの創造(想像)世界」という所に着目すれば
その中で描かれる、特に序盤の華々しい成功の描写たちは
とても「幸せそう」で「ポジティブさ」に溢れていた。

…ゆえにAmazon内容紹介が、いまいち乗れなかったのです。
映画『エンジェル・ウォーズ(原題: SUCKER PUNCH)』はある若い女性が暗い現実から逃避するために作り出した
鮮烈な想像の世界で繰り広げられる壮大なアクションファンタジー映画である。


いや、いや。
逃避では無いでしょう?と。
多少日本語訳したような原文英語臭い文章なのですが、
こういった理解をしてしまうから海外評は低いのかなあ…
などと要らぬ邪推をしてしまいますよ?

敢えて書く必要もないとは思いつつ、一応。
現実逃避をしたいならば、そもそも脱出という選択肢がありえない。
逃げは逃げでも、それは正面突破的な脱出ですから。
(現実は粛々と受け入れ、脳内で自由に羽ばたいていれば良い。それが現実逃避)
現実に向き合い、打破する意志を固めたからこそ
当初無気力だった少女・ベイビードールは「踊り」という「武器」を得る。
その、武器を振りかざしている際の気分の高揚を、
或いはそれを受けたまわりの印象を。
そこをイメージ空間で描いているだけで、
その瞬間、踊りなり、脱出道具探しなりで各自が戦っている事は疑いがなく
現実逃避どころか、寧ろ現実にコミットしている、
向き合っているシーンのイメージビジュアル化として
それらのトンデモファンタジーシーンは描かれているのでした
(うーん、何観て内容紹介してるんだろ…)。

そこに多少の「ゲーム脳」であったり「厨二病」感は存在していても
存在していて何かおかしいの?だって少女でしょう?という話ですよね。
だから、ザック・スナイダー監督は単純に自分の趣味を出しただけかもしれませんが
同時に、そんな思春期少女の内面を(無理やトンデモも含め)
ビジュアルとして抜き出す事にもある程度成功しています。
それらの映像は、特にミッション失敗に至るまでは
「楽しい」のですよね。映像自体はどんなにトンデモファンタジーであっても
彼女たちの内面的には「リアル」であるし、
だからそこで生き生きと躍動する彼女たちは、その瞬間
生をめいっぱい謳歌できている、「生きている」のです。

物語の展開を見れば、途中、彼女たちの浮ついた厨二的幻想は
現実の壁に無残なまでに打ち砕かれる。
あっという間に死んでしまう仲間たち。
(一番可哀想なのって、彩陽さんのアンバーじゃね?
ブロンディみたいな瑕疵もないし、ロケットみたいな到達もないし…orz)

ただ、それでも仲間たちとミッションに向かっていた時間の充実は
上記トンデモファンタジーが、数億円をかけたと思しき
「無駄な豪華さ」を誇っている事からも明らかでしょう。
いや、無駄とは言いましたが、そんな事もない。
要は、思春期少女の生に向きあう内面の充実を
ビジュアル化すれば、そんな数億クラスのものになる、
それほどに個人の内面世界とは自由で、豪華で、カオスという事であり
それは、そのあたりを文章表現なりアニメーション表現で補ってきた
厨二の大家(?)我ら日本のオタクにとっては、
贅沢すぎて自分たちでは行えない、凄くありがたい、
ある意味では1つの「極み」表現なのだろうと思います。

結末は、特段残酷な事を描いているというよりは
淡々と、現実をある種模したような形になっています。
無慈悲に死んでしまう人、想いを残し死んでしまう人、
成功する人、失敗する人…
これはBADだなんだという話ではなく、単に作品の現実感覚。
そんな中、一人でも生きていればいい。
その少女が、仲間の中でもっとも後ろ向きで、参加拒否をしていても
想いをつなぎ、可能性をつなぐ事はできるし
勿論それは、己を捨てるという意味ではなく
助けて散るその瞬間まで、各自は「眠れる奴隷」では得られぬ
己の生を燃やしていた。
…って、「眠れる奴隷」なんて言いましたけど
その言葉が登場する『ジョジョの奇妙な冒険』第5部、
それ以上に第6部『ストーン・オーシャン』にも
かなり似通った作品としても、記憶しておきたい作品であります。
※ベイビー・ドール≒空条徐倫



だから、我々日本の物語に浸かってきた人には
想像以上に、あらゆる面で親しみの沸く作品だと思いますし
決して「ビジュアルを眺める作品」的な無難な落ち着け所が必要な作品とも思わない。
仏作って魂入れず…ではありませんが、
ビジュアル的な側面だけ、クールジャパンをなぞったようなものよりは
シナリオレべルに至るまで、とても我々向けの作品と感じました。

これが21世紀のカルトムービー!!
…に、なるかはともかく(笑)
『ロッキー・ホラー・ショー』や『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』あたりが評価されるのなら
さほど悪しざまに言う必要のない作品だよなあ、と思いながら
声以外にも魅力があった事に、ホッと胸をなで下ろすのでした。

高垣彩陽さん出演洋画繋がりでいうと
『紀元前1万年』は、同じトンデモ繋がりとはいえ
そのトンデモを、この作品で言う所の「少女だから」のように逃がす事もできず
本当にトンデモな世界の中で、ピープルズ・ヒーロー的なテーマを
多少無理くり探すような部分があったのですが…
あの時よりはよほど力強く、本当に愉しめる視点がありますよ、と言えそうです。
あ、やっぱりスフィアメンバーでは吹き替え適性は一番高い。
まず声の強さがないと、実写の映像に負けてしまうのですよね。
そして、2番目に適性が高いのは、意外や寿美菜子さんなんだなぁ…。

先行映像も相まり、
チャーリーズ・エンジェルとキル・ビルの間あたりにしか見えぬ
謎の邦題『エンジェル・ウォーズ』などで
海外レビューに続き、更に割を食った感はありつつも、
だからこそ、日本のオタクとして押さえておくのも面白いかもしれません。
安いし。いやぁ…さすが

true tears劇場版の監督!!←そこに戻すな

http://twitter.com/rui178 呟いております。
http://twilog.org/rui178 適当な単語で検索してみてください。


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