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zoom RSS アニメ「みつどもえ」ショートギャグにおける、原作尊重の形

<<   作成日時 : 2010/07/10 08:14   >>

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アニメ「みつどもえ」は、古典である。
・・・と言うと、誤解を生みそう。言葉を変えましょう。
アニメ「みつどもえ」の作り方は、古い。
・・・いや、これもどうだろう。
新しい古いを安直にいい悪いで語るのは、
浅はかと思うので・・・悪口としてではなく。
アニメ「みつどもえ」は
アニメーションとして極めて正道で、古典的な
作り方によって生まれています。

オリジナルアニメーションが激減し、今や
原作というものをどう扱うか、というのが
アニメーションにおける大きなテーマになっています。
極端には「原作準拠」「オリジナル展開」
という分け方になるのですが、当然のこと
実際はもっと細分化された様々なスタンスが存在しますし、
「みつどもえ」「生徒会役員共」「荒川アンダーザブリッジ」
などなど、ショートギャグ原作に絞った場合、
ネタの質で並ぶのが難しいからか、オリジナル比率は弱まり
それよりも、どれくらいのペースで消化するか、
という新たなテーマが浮上してきます。

「荒川」と「生徒会役員共」はある程度同形で、
どちらも話数を大量に消化する事からわかる通り
(荒川は1クールで100話を突破しました)
間を潰し、とにかくネタをあるがままに詰める事を選択している。
「生徒会役員共」はそこまでではないと思いますが、
基本的にはそちらを志向するでしょう。
対して「みつどもえ」は
1週間でおよそ3〜4話、というペースになっている。
ただ、それのみをさして単純に
「テンポがいい」「悪い」で語る事は、
アニメーションを観る上での取りこぼしが
多すぎるだろうと考えます。

それらは、同じ形式のものを比べる時に使えば良い。
そもそもの選択が違うのです。

例えば、2chという掲示板には
「短く書く」という美学がある。
中には長文というだけで読みとばす人もいて、
それはどうなのよ?と思わないでもありませんが、
2ch全体が「データ量の負荷」といった建前や、
「どうせ何を書いてもすぐ流れる」というシステムを理由に
基本的に、短い事を正義としている場であるのは間違いありません。
このマナーを突き詰めた世界が「短歌」「俳句」の世界。

ただ一方で、長い事が尊ばれる世界もある。
文字数の規定がある小説やプレゼンテーションなどもそうです。
「三行で纏めろ」的な価値観は、実際にそれが可能であるがゆえに
一見どこでも通用する論理のように錯覚されがちなのですが、
実際は、そんな事はまったくない。
わかりきっている結論の為に傍証を出すなどして
外堀から埋めていくのが、そもそも論文などのあり方ですし
そんな事を言い出したら、僕らの愛する「物語」それ自体が生まれなくなる。
テーマを抜き出してみれば三行、というものだとしても
そこにオリジナルの語り口を加える事で、物語は物語になる。

つまり骨をそのままさらけ出す、話を詰め込む形式と
肉付けによって個性を見せる、尺をとる選択があって
そこに優劣関係はない、という話になります。
なのにテンポという名の元に甲乙をつけようとするから
そもそも、この手の話はゆがむのだと思いますが・・・
ブルースよりパンクの方が「テンポがいい」的な勘違いで、
間違いなくリズムは速いのだけれど、その中の
密度評価は、「いい悪い」は全く別の次元、
別の語り口で行われるべきなのです。

・・と、いう論理展開を観て、賢い人ならわかるように
僕は今、「みつどもえ」のテンポを
擁護しようとしているわけです(笑)。

まあ、アニメーションのショートギャグの殿堂作品
「サザエさん」あるいは「クレヨンしんちゃん」
などがそうであるように、1週3~4話は古典形式。
制作的な事情で言うと、話数をあまり消化しなくて済む為
原作側に、あるいは脚本家に対する負担が少ない面があり
同時に、1つ1つのネタをアニメーションの本質であるところの
「動く」事によって肉付けをし、差別化を図れるメリットがある。

対して、最近生まれだした、沢山アイキャッチを挟むような作品は
制作的事情で言うと、昔の長期作品と違い
期間が区切られている為、先を気にする事なく
おいしい部分をひたすら詰め込める、という面があり
同時に、1つ1つのネタを「流す」事によって
個別評価を避け、全体の印象に持ち込めるメリットがある。

どちらかに絶対の有利が存在するなら、そもそも
これらの形式が共存するわけもない。
個人の好みはさておき、これらの形式は優劣ではなく
2大選択肢として、現在のショートギャグの前にあります。
そこを踏まえた上で、「みつどもえ」の選択が
好きか嫌いか、という話になってくるのですが・・・・

明らかに良いと思える面と、もったいないと感じる面があって
ちょっと、モンモンとしています(笑)。

まず根本的に、僕はアニメーションは
原作の小間使いでなく、アニメーション作品であって欲しいので
尺を取った演出などは大好きです。
原作でコマを挟まないから、ただ会話を入れていくというなら
極端な話、それは声のでるマンガに軽く肉付けしたものでしかない。
簡単に読み飛ばせる部分に肉付けをしていく事自体は
好みと合致している。
「みつどもえ」で言えば、同じ話を3分で消化する事は可能ですが
それとは別の選択として、過剰なBGMやCG、作画を用いて
ネタの密度を・重みをあげようとしている選択は見える。
それ自体はまるで嫌いではないのです。

が、一方で。
上の例えで「サザエさん」「クレヨンしんちゃん」を挙げたように、
この形式は先の話を「消化しすぎたくない」という選択から来ている。
それはつまり、「いつかは消化する」の言い換えと言ってよく、
「みつどもえ」のように1クールの作品に用いると
「観たいのに観られないエピソードが増える」という
悲しい状況につながる事になる。

この点では、「荒川」形式の方が好ましく思います。
(まあ、そんな燃焼型の「荒川」に続編があるみたいで、
もうこれ以上続編いらねーだろ、と思わなくもないのが
本当世の中のままならなさですねw)
ギャグものに限らず、以前「ささめきこと」について語った通り
http://rui-r.at.webry.info/200912/article_22.html
何か魅力的なものが先にあるというのに、
そこを出し惜しみしたまま終わる、というのは
個人的には、偉くもったいなく思えるのです。

そこで大きいのが、「みつどもえ」という作品は
絵柄だけでなく、内容も様々な変遷を経て
最近の人気作にまで至っているという事実。
大ざっぱに分ければ、初期の「みつどもえ」は
師匠とも言える「浦安鉄筋家族」的な下品さを基調に、
中期以降の「みつどもえ」は、キャラクターごとの個性を使った
勘違いネタでもって進む形をとっている。
で、初期が嫌いというのではなく、
人気を得たのはまぎれもなく中期以降なわけです。

アニメの「みつどもえ」が、今と同じ1週3〜4話の形だとしても
先ほど言った、「魅力的なものを出し惜しみしない事」を優先した場合
僕には、1話次回予告で観るとわかるような
「検尿回」や「鼻水回」を描く価値は、あまりないように思えます。
それらは「みつどもえ」という作品の持つ、振れ幅としての
下品サイドを突き詰めた部分ではあるものの、
作品の主に人気な部分はそこにはなく、
またそこを逐一追いかけるには、「みつどもえ」の選択した
1週3〜4話の形式はふさわしくないと思うのです。

つまり、簡単に纏めれば
1話ごとの密度を上げるのは、個人的に好み。
だが、それで不人気のエピソードまで拾い上げていって
消化不良になるのが一番怖い

・・・これが僕の「みつどもえ」感想という事になりますね。
つまり、このやり方で2期3期とやってくれるのが一番ありがたいのですが
先の見えないこの業界ですから、そこを前提とするわけにもいかない。
もし、2期3期の約束が水面下に存在している、というのなら
もう、諸手をあげてこの選択を絶賛しますけどね!!
(逆に、荒川がもしその企画ありきなら
 攻めすぎたというか、調理を放棄しすぎたと思います)

だから今、「みつどもえ」を観ながら
楽しみつつ、いつもビクビクしているのです。
ああ、おもしろいなあ。
でもこんなエピソード消化する暇があるなら
杉崎とみつばの回、ひとは、矢部、龍太のガチレンジャー、
佐藤くん転落人生、しょうがない隊、
宮なんとかさんのうざったさ、杉崎母の変態・・・
こう、押さえるべきものは沢山あるだろう、と
ビクビクしながら面白がっている。
その辺、果たしてどうなるでしょうね。
良エピソードを選抜したようには見えないので
「みつどもえ」の先を予測しながら
どのあたりまで描けるのか、そして
気が早い事ながら「先があるのか」。
このあたりも考えながら観ています。

とりあえず、チクビは笑った。
OPの和気藹々とした動きの激しさも楽しいですし、
また、EDの穏やかさが
「今日の5の2」OVA版の時に感じた小狡さを
さらに強調してきています。
何でいい話風なんだろう(笑)。
クオリティには不満はないので、
この先も楽しませてくれそうです。
ブリッジによるアニメーションが最後まで持てば、
ちゃんとした良作として記憶されることでしょう。

・・・

でも俺は、さっさと雌豚で痴女な
みっちゃんが観たいんだよっ!!(魂の叫び)

原作を知っていると、素直に楽しむより
早く前へ前へ!となってしまうのが難しい作品だなあ。
まあ、今やソフト売り上げのみに頼るモデルは崩壊傾向でしょうし
こういう釣り方で原作が売れたら、それはそれで
成功という気もするんですけどね(笑)。
でもせっかくだから声で、動きで「ふぉいひっ」って
やって欲しいなあと・・・この辺
堂々巡りで悶々としながら観るのが
「みつどもえ」の楽しみ方なのです(ホントかよ)。


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