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zoom RSS スフィア『A.T.M.O.S.P.H.E.R.E』全曲レビュー

<<   作成日時 : 2009/12/24 08:41   >>

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前回は、初回版DVDのあやひーかわいいよあやひー
…的な事しか言っていない気がしますので
ちゃんと感想記事にしておこうかな、と。

まず、全体的な評価。
…最近の声優さんユニットはクオリチーたけーな、と。
僕が彩陽さんを敬愛しているという点を差し引いて
普通の、CD・レコード数千枚所持者(8割以上生まれる前)の
音オタとして聴いていても、もう
「声優さんだから…」という遠慮は要らない時代になっている。
つい10年程度前までは、もっと聴く側として
遠慮…というと失礼に当たるかもしれませんが
歌唱も、音作りも、一定の許容を前提としていたのに
この数年で、すっかりそんな時代は終わっていたようです。

4人の歌声も、当然スタジオ録音なので手入れバッチリとはいえ
うまいこと特徴を分散してあって、誰がダメと感じない。
正直に言えば、曲あるいはフレーズの選択次第では
もっと豊崎さんの平坦な歌い方が、引っかかるかな?と
多少身構えていたのですが、その辺
先行のシングル曲よりもよっぽど上手く溶け込んでいました。
ちなみに4人の特徴としては
寿さん…メロディ正道。
 癖のない安定感のある歌唱なので
 中央に置いておくと、曲の印象が締まります。
彩陽さん…表情付け。
 メロディへの色付け方が抜きん出ているので
 ただメロディを押さえるだけでは出ない、膨らみが出ます。
 曲解釈が高い段階に達しているのだと思われますが
 寿さんの音程、彩陽さんの表情が全体に果たす貢献は大きい。
戸松さん…まっすぐさ、若さ。
 戸松さんの場合、歌い方がストレートで
 音を発したらそのまんま、というタイプなので
 力押しの若さのようなものが、全体に加わります。
 昔はその歌い方が、もっと雑に聴こえていましたが
 今はその歌い方を個性として、らしさに消化できています。
豊崎さん…柔らかさ、可愛らしさ
 寿さんの声がメロディラインを
 彩陽さんの声が表情の豊かさを補強しているので
 2人の力を上手く利用して、悪印象にならないという感想。
 逆にその声がアクセントとして、曲に起伏をつけています。

こう考えてみると、互いに互いの不足分を補うような
ユニットらしい循環が起こっている事が、理解できると思います。
寿さんの歌唱は、安定している分特徴に欠けてしまう恐れもありますが
彩陽さんの強弱ある歌い方
戸松さんの元気さ、豊崎さんの特徴的な声で支えている。
彩陽さんの歌唱は、表情豊かですが
寿さんのメロディの「基盤」をはっきり示す
忠実な歌い方あってこそ映えるものですし
戸松さんと豊崎さんの声による、華やかさの付与がある。
戸松さんの歌唱は、技巧的ではないけれど
寿さんと彩陽さんの歌でフォローされている。
豊崎さんの歌唱は、ボサノヴァなどメロディを選ぶものですが
寿メロディと彩陽表現を利用している。

良いバランスだと思いますよ。
フロントばっかり目立つ黒人コーラスグループなんかより
よっぽど良く出来てるんじゃないかなぁ…。 

敢えてネガティブな事を言うと
余りに配分がバッチリすぎる為に
本当の意味での「フロント」がおらず(若干寿さんですが)
ハーモニーとパート分けの「次」にはまだ達していないと言えるかも。
マイサンシャイン『Dear dear dream』で行われた
メイン1人+バックにスフィア、という形は
今後バリエーションとして、詰める価値があると思いますね。
1stアルバムなので、そのあたりまっすぐ攻めたのでしょうが
ひたすら現行のまま続けると、単調になる恐れもありますから。

また、デビューシングル「Future Stream」と
そのカップリング「Treasures!!」を聴いたときの印象よりは
全体の楽曲が生音寄りにシフトしていたのは、
古音オタとしては好印象。
リズムやリフで聴くことができるとは、想像していなかった。
もっと音の隙間をひたすらに埋めてくると思ったら
基本、コーラス、ハーモニーに任せて
音数が極端に多い所には、あまり行っていないなと。
やがてくるライヴの生演奏を想定してかもしれませんが
これは正解だと思います。
音響再生での再限度が減少するほどに
ライヴ感は増していきますから。

以下、個別楽曲。

01.Future Stream
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:山口朗彦

言わずと知れた、デビューシングル。
表題曲を1曲目にした場合、この曲は
2曲目かラストナンバーになったと思われますが
ラストナンバーだと、解散ライブのようで意味が強い。
2曲目はアルバム2曲目に「掴み」を置く
2曲目最強説的なアルバムも結構あることから
無い選択ではないと思うのですが
とにかく「デビューアルバム一曲目はデビュー曲!」という
大袈裟に言うと、「筋を通したかった」のでしょう。
先ほど触れたとおり、アルバム全体の印象は
いい意味で、この曲の示す未来図とは違うものでした。
彼女たちも成長し、変化していっているということでしょう。

アレンジは、いわずとしれたヴァンゲリス調(笑)。
このタイプのアレンジが軸になるかと思っていたら
案外スフィアのメイン街道にはなっていないですね。

02.本当だから困るんだ (アルバム新曲)
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:渡辺和紀

初期MY LITTLE LOVERの小林武史にも通じる
若干リゾート感覚がある、風通しのいい楽曲。
渡辺さんという方の、唯一の提供曲ですが
アレンジに使う楽器の種類が多彩な事で、
アルバムの印象を決めているかも。
豊崎さんが歌う後ろでのエレピであったり
アコーディオンであったり、鉄琴であったり。
今度もうちょっと曲を依頼してみるのもいいかも。
一曲はちょっと勿体無いですね。

歌詞はスフィア・メインライタ−の畑さん。
友情から恋への変化を自覚した女性の戸惑いと決意の歌。
4人ユニットの曲としては、かなりソロの色合いが強い歌詞かも。
歌詞だけでなく、曲自体もそういえるかな?
コーラスというよりは、合唱力で押し切ったような印象があって
声のアレンジは余り機能的ではない。
だから、印象としてはソロ楽曲。
坂本真綾さんの初期ナンバーみたい、といいますか…
でも、個人的に結構好きな曲ですね。このリズム、好み。
2曲目で「あ、個別の楽器で結構聴ける」と思えたのは
生音ダイスキの僕には大きかった。

03.PRINCESS CODE (アルバム新曲)
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:橋本由香利

カジノで流れるようなラウンジ・ジャズを取り込みつつ
ガールズポップとしての意匠も欠かさない、という
「セーラー服を脱がさないで」あたりからの
伝統あるアイドルポップスの形式。
2曲目、3曲目の流れが個人的に重要で
こちらもベースラインがキッチリ聞き取れる作りだったので
(もっとベースの輪郭強めてもいいくらいだ)
「あ、このアルバムは楽器で聴けるぞ」と
相当安心したポイントだったりします。

また2曲目よりもコーラスアレンジが豊かで
後ろの声が追撃をかけるような形をとっていたりと
メイン声と後ろの声での
掛け声キャッチボールが成立しているのも良い感じ。
逆に言えば、ライヴでの再現はちょっと難しいんですけどね。
こちらも、作品唯一の橋本さん提供曲。
んー、やっぱりこちらにも数曲預けてみたい。

歌詞はスフィアのイメージとしてはこれが正道かな?という
「私達頑張っていこう」が同時に「みんな頑張ろうね」になる
ストレートな応援歌。
歌詞に「カラフル」とあったり
ライヴのオープニングナンバーに適しているかもしれません。

04.Treasures!!
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:黒須克彦

デビューシングルのカップリング。
とにかくバックの掛け声が、全部戸松さんに聞こえる
謎の戸松バック支配マジック(笑)。
声が強いんだろうなあ、いい意味で。

05.君の空が晴れるまで (アルバム新曲)
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:山口朗彦

ダイヤモンドだね〜♪

コホン。

『PRINCESS CODE』同様の応援歌ですが
収録曲中最も小細工が効いていない
どシンプルな楽曲。
歌詞は何故か、
高垣彩陽〜石動乃絵臭が強烈にするもの。

06.らくがきDictionary (アルバム新曲)
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:黒須克彦

全体的に盛り上がる曲が多い中
真ん中周辺に配置された、失恋…でもないか?
(失恋というのは、打ち明けて、フラれてナンボですから)
失恋未満とでも言うべきか、
片思いが片思いのまま霧散した感情を
青春と同期させたタイプの切ない曲。
アレンジはやはりストレート…
黒須さんという方の編曲は小細工がない。

07.Dangerous girls
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:黒須克彦

2ndシングルのカップリング。
聞き込むうちに何故か好きになってくるスルメ曲。
やっぱりズンタタズッタのリズムはいいですね。
体が動く、本能のロックンロールリズムです。
ゴーゴー踊りたくなる←古!

08.Dream sign (アルバム新曲)
作詞:畑 亜貴 作曲:黒須克彦 編曲:虹音

まさかのリフで始まるロックンロール。
やはりベースがそれなりに効いているのと
ここまでの数曲と比べて、アレンジの音数も絞られている為
ロックらしさはかなりあり。
戸松さんの歌い方は、このタイプの曲に合うようです。
あやひーは全部いいけど←ファン乙
間奏部分のピアノ単音繰り返しが
あー、グラムまでのロックをわかってるな、という感じ。

09.Super Noisy Nova
作詞:畑 亜貴 作曲:rino 編曲:虹音

いわずとしれた2ndシングル。
イベントで聴き慣れたせいで、Aメロの「first sign」のあと
『ホホッホウ!』という「おまえら」の声が聴こえるぜ…(笑)。

10.Joyful×Joyful (アルバム新曲)
作詞・作曲:rino 編曲:大久保 薫

アルバム中最も感情的で穏やかな曲。
スフィアの基本の「型」は
Aメロ冒頭が寿さん、という印象があります。
それは彼女の歌唱法からして、地ならしとして適切なのですが
この曲は彩陽さんが冒頭を歌っていて
それは曲調からも納得できるものです。
最も感情的な曲を、最も感情表現の優れた人から入るのは
いわば「感情の場慣らし」ですね。

自分達の再確認のような歌詞。
「未来地図のその途中で会えた事が素晴らしいと思う」は
ちょっともう、反則というくらいスフィアというユニットを
凝縮したような一節。
最後の「Joyful」の美しいコーラスは、
まるでソフトロックのハーモニーのよう。

.サヨナラSEE YOU (アルバム新曲)
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:山口朗彦

ツイストからスカな明るいお別れソング。
何故こんな、ラストコンサート
アンコールの一曲目のような曲を
デビューアルバムで…(笑)。
用意周到すぎて怖い(笑)。

この曲の「Hi!」のような合いの手ゾーンは
やはり戸松さんの支配する場所。
コーラス全体がそうというわけではないのだけれど
叫び声や掛け声は、4人全員が行っているはずなのに
明らかに戸松さんの声が表に出るのが面白い。
彼女の声質自体がそうであるというだけでなく
エンジニアさんも、彼女の声の活かし所はここだ!と
敢えて強調しているのかもしれませんし
実際その通りだとも思います。絶好の賑やかしボイス。
戸松さんの最大貢献は、寧ろ歌ではなくココかも。

彩陽さんの「夢を叶える」の「叶える」の歌い方が
とても素晴らしいですね。

12.A.T.M.O.S.P.H.E.R.E (アルバム新曲)
作詞:畑 亜貴 作曲:黒須克彦 編曲:虹音

センチな気分は私たちの気分じゃない!という
若干イントロ詐欺なタイトルナンバー。
クラシカルな入りなのに、始まってみたら
チアガールでも踊りだしそうなグラムロックだっていう…。
まあ、前回言った通りベイシティローラーズな一曲。
しかし警戒しすぎなのかもしれませんが
どうしてこう、ラストナンバー向きの曲が多いんだ…(笑)。

僕の好きな曲は
2,3,8,10といった所でしょうか。
でも「敢えて」であって
全体的に悪い曲もないし、声優さんだなぁっていう
聴き苦しい箇所もないし…

いやあ、ホント、声優ユニットって凄いのね…←時代遅れ乙
次回以降は、今回曲数の少なかった作編曲者の方を起用していくと
生音が増えていってアレンジの楽しいアルバムになるでしょうね。
あるいは途中で、カバーアルバムをはさんで
バリエーションをつけるという手もあるか。
前途洋々、楽しみなユニットです。

あやひーいるし。
…ああっ、本音を隠しきれなかった!orz

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